虚構新聞の円周率が割り切れたという記事が話題です!
虚構新聞によると「千葉電波大学」の研究グループが円周率計算プログラムのミスを見つけ、再計算すると円周率が「3.151673980」の10桁で割り切れたという新事実を発見したというものです。
虚構新聞の記事なのでもちろんデマですが、Twitterなどで投稿されると信じてしまいますよね。
<この記事で分かること>
- 円周率が割り切れたのはデマ!虚構新聞のフェイクニュースとは?
- 円周率が割り切れたという3つのデマとは?
- 円周率に終わりはある?
- 円周率の最後の数字は「6」?
- 円周率は割り切れないと証明されている?
この記事では、円周率が割り切れたというデマに対ついてご紹介します。
目次
円周率が割り切れたのはデマ!虚構新聞のフェイクニュースとは?
この円周率の情報元が虚構新聞とかだったので、この円周率のことはウソだと思われます。誤解をまねいて、すみません。 https://t.co/d5F3jC38Tx
— たぬお@いいリプはじめました。 (@sekaino_tanuo) February 17, 2024
虚構新聞の円周率が割り切れたという内容は以下のようになります。
「10桁で終了」 円周率ついに割り切れる これは嘘ニュースです
再計算によって導き出された新しい円周率
無限に続くと思われていた円周率がついに終りを迎えた。千葉電波大学の研究グループがこれまでの円周率演算プログラムに誤りがあったことを発見。同大のスーパーコンピュータ「ディープ・ホワイト」を使って改めて計算しなおしたところ、10桁目で割り切れたという。10桁目の最後の数字は「0」だった。千葉電波大学の研究グループの発表によると、円周率計算に際し、改めて既存の円周率計算プログラムを点検してみたところ、円周の誤差を修正する数値に誤りがあることに気が付いた。この数値を正常値に直して計算しなおしてみたところ、円周率は10桁で割り切れたという。
同大の発表では円周率は「3.151673980」。3.1415・・・と続く、従来考えられていた数値は全くの誤りで、早急に修正が必要だという。また、これをうけて円周率暗記記録のギネス認定(5万4千桁)も取り消される見通し。
▽円周率暗記世界記録保持者の西岡さんの話
死にたい。虚構新聞より引用
虚構新聞の人気の理由の一つとして、千葉電波大学という架空の権威を設定することで、人々が権威に惹かれる心理を巧みに利用しています。
さらに、「プログラムに誤り」というありそうなストーリー展開や、世界記録保持者のコメントを効果的に使用して、話のオチをしっかりと作り上げている点です。
こうした細かい計算と心理への配慮が、虚構新聞の人気の秘密と言えるでしょう。
このように、読者の心を掴む緻密なストーリーテリングが、虚構新聞の魅力の一つとなっています。
円周率が割り切れたという3つのデマとは?
円周率はこれまでに割り切れたというデマが流れました。
- 円周率が10桁で割り切れたというデマ。
- 円周率が761桁で割り切れたというデマ。
- 円周率が15兆で割り切れるというデマ。
どのような内容だったのでしょうか?
円周率が10桁で割り切れたというデマ!
先ほど紹介した虚構新聞の円周率が10桁で割り切れたというデマです。
このデマは、定期的に流れYahoo!知恵袋の質問でも見られます。
流れる理由は、SNSやTikTok、Youtubeを使い、バズらせたり、再生回数をかせぐ目的のようです。
冷静に考えれば嘘だと分かっても、騙されてしまうため定期的に流されているのでしょう。
円周率が761桁で割り切れたというデマ!
2020年2月30日、科学界は761桁目で円周率が割り切れたというニュースが流れましたが、これは実際には事実ではありませんでした。
UFO教授藤木文彦氏によると、この桁では999999が続くため、割り切れると見なされました。
しかし、これは正確な誤差を含んでおり、完全に割り切れるわけではありません。
さらに、円や球が空間に存在すると、それにより空間が歪むことから、理想的な円周率と実際の値には微妙な差異が生じると考えられています。
結局のところ、円周率は無理数であるため、計算上割り切れることは不可能であると多くの学者が指摘しています。
円周率が15兆で割り切れるというデマ!
円周率が15兆で割り切れたという情報は、2012年頃からアメリカで広まったこの話で、実際に根拠のないガセネタです。
特に、アメリカのニュースソースということで信憑性があるように感じられたこともあり、このデマが広く拡散されました。
このようなフェイクニュースはしばしばインターネット上で見られますが、実際には科学的な根拠はありません。
円周率に終わりはある?
円周率に終わりはありません。
円周率が無限に続く理由を簡潔に説明すると、それは円周率が無理数であるためです。
無理数とは、整数の分数形で表すことができない数字の種類で、その特徴としては数字の並びが終わりなく続いていくことで、円周率はその性質上、決してループせず、終わりのない数列として続いていきます。
この数学的特性は、円周率の計算や理解を複雑にしていますが、同時に円周率が数学の分野で特別な興味を持たれる理由の一つです。
無理数である円周率は、その無限の性質により数学的にも重要な役割を果たしています。
円周率の最後の数字は「6」?
実は、江戸時代初期の和算家は、円周率を3.16としていました。
毛利重忠の『割算書』や吉田光由の『塵劫記』にこの数値が見られます。
当時の中国の文献には3.16という数値は見当たらず、その起源は不明です。
毛利重忠と弟子たちは、円周率を測定し、3.14や3.16に近い値を得たと考えられますが、最後の桁に自信がなく、美しい数値を求める中で √10 = 3.16 が採用された可能性があります。
1677年に野沢定長は『算九回』で「円周率は3.14が経験的に、3.16が理論的に正しい」としました。
1600年代前半から和算家は円周率の数学的計算に取り組み、1663年には村松茂清が『算爼』で3.1415…を算出し、1681年頃には関孝和が小数第16位までの正確な値を計算しました。
これらの努力により、和算の円周率は3.14に統一されました。
円周率は割り切れないと証明されている?
円周率が有限の数値で終わらないことは、数学者ニーベンによって確立された理論で証明されています。
この理論は「ニーベンの証明」として知られ、非常に複雑な計算式を使用しています。
そのため、一般的には円周率が終わりのない数であることを理解しておくと良いでしょう。
ニーベンの証明は数学の複雑な側面を示しており、円周率が無限に続く非終端数であることを示しています。
この証明は、円周率の性質を深く理解する上で重要な役割を果たしているのです。
まとめ
虚構新聞が発表した「円周率が割り切れた」というニュースは、完全なフェイクニュースです。
このデマは、「千葉電波大学」の研究グループが円周率計算プログラムに誤りがあったとして、再計算により「3.151673980」という10桁で割り切れる新しい円周率を発見したという内容でした。
このような虚構新聞の人気の秘密は、架空の権威や現実味のあるストーリーライン、効果的なコメントの使用により読者の心を掴む緻密なストーリーテリングにあります。
しかしながら、実際には円周率は無理数であり、終わりなく続く数であるため、このようなデマは科学的根拠に欠けています。