手紙やメールにおいて、差出人の名前の後に見かける「拝」という字自体に「謹んで」という意味があり、相手に対する敬意・尊敬を表す意味を持っています。
特にビジネスメールや公式な文書において、差出人が受け手に敬意を示すために用いられる文字です。
ですが、この「拝」の意味や正しい使い方は分からないですよね。
<この記事で分かること>
- 拝の意味とは
- 拝の由来は?
- 「拝」を用いる場合の基本とは
- 「拝」を年配の方やビジネスで失礼のないように使うには?
- 「拝」の3つの使い分け方とは?
- 「拝」の使い方とは?【4つの例文付き】
この記事では、拝への意味やメールで拝を使う場合の使い方と例文について詳しくご紹介していきます。
目次
拝の意味とは
手紙やメールの結びに使われる「拝」という文字には、相手への敬意を表す意味が含まれています。
特に、送り手が自分の名前の後に「拝」を添える際、それは受け手に対する敬意や尊敬の気持ちを示すための慣習です。
この慣用句の起源は、「拝」という文字自体に根ざしており、「謹んで」という意味を持つこの文字は、古くから敬意を示す際に用いられてきました。
つまり、コミュニケーションの中で相手に対する敬意や尊重を伝える重要な方法となっています。
拝とは
拝とは、その意味に「おがむ」という意味があります。
①おがむ。(ア)おじぎをする。「拝跪(ハイキ)」「拝礼」(イ)神仏をうやまう。「拝殿」「参拝」 ②官をさずかる。「拝命」 ③自分の動作に添える謙譲語。「拝啓」「拝見」「拝借」
goo辞書より引用
また、拝の読み方は、音読みが「ハイ」。
訓読みが「おがむ」です。
「拝」は、謙譲語であり、相手を高めるのではなく、自らを低くして相手を立て敬意を示す敬語なので、自己の行動を控えめに表現することで相手に尊重を表します。
特定のビジネスでよく使われる
特定の業界では、コミュニケーションの際に「拝」という言葉を用いる習慣があります。
この言葉は、手紙やメールを結ぶ際に差出人の名前の後に添えられることが多く、特に官公庁や医療関係の分野で一般的です。
目上に使う場合が多い
この習慣は、特にその業界に根強く存在していますが、それ以外の業界でも、特に年配の方や管理職クラスの人々が、敬意を表すために同様に「拝」を名前の後に加えることがあります。
この慣習は、受取人に対する敬意を示すための伝統的な方法として、日本のビジネスコミュニケーションで広く用いられています。
拝の由来は?
「拝」という文字の由来は、元々「拝啓」のようなフォーマルな言葉から派生したものです。
時間が経つにつれ、「拝啓」は簡略化され、「拝」という形に変わりました。
この表現は、手紙の結びに差出人の名前とともに用いられ、相手に対する敬意を示す目的で使われています。
この習慣は、日本の書簡文化における伝統的な敬意の表現として長い間続いており、現代においてもその慣習が一部で継続されています。
「拝」を用いる場合の基本とは
「拝」という字を差出人の名前の後に付ける際は、相手への敬意を示すために特定のマナーと適切な文脈を考慮する必要があります。
適切に使うことで、敬意を表現する効果的な方法となので、相手に対する礼儀として基本的な「拝」の用い方を理解し利用することが重要です。
基本1.「拝」のパターンを理解する
ビジネスメールや目上の方への手紙でのマナーとして、差出人はフルネームを記載し、その後に「拝」という字を添えるのが一般的です。
ただし、ビジネスで頻繁にやり取りがあり、名字のみの使用が普通であれば、名字の後に「拝」を付けることも許されます。
しかし、通常は氏名両方を記入し、「拝」を使用することが望ましいとされ、これは相手への敬意を示すための重要なコミュニケーションの一部です。
基本2.テンプレートに従う
特定の業界では、例えば病院の紹介状のように、手紙やメールの文面が定型化されたテンプレートに基づいています。
このような場合、「拝」という字の使い方もテンプレートに沿って行うのが適切です。
業界固有の慣習やフォーマットに従うことで、正式な文書の形式を維持でき、適切な位置に「拝」を配置することが求められます。
そのため、業界ごとのテンプレートに基づいて「拝」を使用することが重要です。
「拝」を年配の方やビジネスで失礼のないように使うには?
「拝」という文字を手紙やメールで使用する際は、相手への敬意を示す表現として、特定のマナーに従って慎重に使用する必要があります。
この文字を差出人の名前の後に無差別に追加することは適切ではなく、相手との関係や状況に応じて適切に使い分けることが重要!
不適切な使用は、相手に対して失礼にあたる可能性があるため、書簡や電子メールでのコミュニケーションにおいて、相手に敬意を払いながら、適切な文脈で使用することが肝心です。
年配の方に使う場合の注意点は?
年配の方の場合、このようなマナーに対して慣れ親しんでいる方が多いです。
年配の方々に「拝」を使う場合、名字のみを記載した後に「拝」という字を付けることが一般的で、これは敬意を示す伝統的な方法として長く用いられてきました。
ビジネスシーンでの場合とは少し違うので注意しておきましょう!
ビジネスシーンで使う場合の注意点は?
前にも書いたように、特定のビジネスの業界では「拝」という文字を差出人の名前の後に付けることが一般的な慣習となっています。
医療業界では、他院への紹介状で医師が名前の後に「拝」と付けることが一般的であり、出版業界や官公庁でも同様の慣習があります。
これらの業界では、「拝」を文書の終わりに加えることで、相手への敬意を示し、公式なコミュニケーションを図るのが通例です。
このように、日本の一般的なコミュニケーションやビジネス文化では、古くからの慣習として「拝」という字を使用する習慣が根強く残っています。
「拝」の3つの使い分け方とは?
「拝」という文字を差出人の名前に添える際の使用方法には、いくつかの異なる使い分けのパターンがあります。
- 最も無難でシーンを選ばない「拝」
- 親しい友人や同僚、ビジネス関係の人に使う「拝」
- ごく近い身内の人に使える「拝」
「拝」という文字は、相手との関係性によって変わり、適切な文脈での使い分け方が重要です。
相手の立場や関係に応じて、「拝」を使用する際には慎重に選ぶ必要があり、誤った使用は逆に失礼にあたる恐れがあるため、相手に対する敬意を適切に表現することが必要と言えます。
最も無難でシーンを選ばない「拝」とは
「拝」という文字を差出人の氏名全体の後に使用する方法は、最も無難な使い方です。
このスタイルは、親族や親しい知人だけでなく、目上の人に対しても適しており、幅広い状況で失礼に当たらないため、広く用いられています。
この方法は個人的な手紙やメール、さらにビジネスメールにおいても頻繁に見られ、相手への敬意を適切に示すことができます。
親しい友人や同僚、ビジネス関係の人に使う「拝」とは
親しい友人や同僚、または頻繁にビジネスメールでコミュニケーションを取っている相手に対して、手紙やメールで差出人の名字の後に「拝」と付ける使い方があります。
この表現は、相手との関係が密接で、名字だけでのやり取りが失礼に当たらない場合に適しています。
つまり、親密な友人やビジネスのコンテキストにおいて、頻繁なやり取りがある相手に対して使用されることが一般的です。
ごく近い身内の人に使える「拝」とは
特に親しい関係、例えば両親や親友などに宛てる手紙やメールでは、差出人が自分の下の名前のみを記載し、それに「拝」を添えることがあり、これは相手との親密な関係性を表すために用いられます
この使い方は、日頃の感謝を表す際や、親密な関係を反映して使用されることが一般的です。
このスタイルは、通常、両親や普段から下の名前で呼び合うほど親しい友人に限定されており、親密さを示すための表現として採用されることが多いです。
「拝」の使い方とは?【4つの例文付き】
「拝」の正しい使用方法について、4つの例文を付け「拝」の使い方をご紹介します。
例文付きなので、手紙やメールでのマナー違反を避けることができ、ビジネスメールを含む重要なコミュニケーションにおいても誤解を防ぎ、相手に敬意を示すことが可能になります。
例文を参考にして、相手に対する敬意の表現として「拝」を適切に使いこなしましょう。
例文1.「鈴木 花子 拝」の実例
ビジネスメールや手紙での一つの例として、差出人がフルネームを記載し、その後に「拝」という文字を添える方法があります。
例えば、「鈴木 花子 拝」といった形式で使用されることが一般的です。
このスタイルは、目上の人に対しても適しており、ビジネスのコンテキストで頻繁にやり取りがある相手に対して用いることができます。
このように、差出人の両方の名前の後に「拝」と付ける表現は、日常的なビジネスメールにおいても失礼にあたらないため、幅広く利用されています。
例文2.「佐藤 一郎 拝」の実例
医療業界において、他の病院へ紹介状を送る際の一般的な書式には、「拝」という字を使う習慣があります。
例えば、紹介状の冒頭では「山田 愛先生 御机下」と記し、文末には「佐藤 一郎 拝」として差出人の名前の後に「拝」と付ける形式が取られます。
このスタイルは業界特有の慣習として確立されており、紹介状の作成では一般的にこのテンプレートに沿った形で書かれることが多いです。
このような書き方は、医療業界における正式な文書の構成として広く認識されており、相手への敬意を示すとともに、専門的なコミュニケーションを適切に行うための標準的な方法です。
例文3.「高田 拝」の実例
差出人が自分の名字のみを記載し、それに「拝」という字を添える表現は、「高田 拝」のように使用されます。
この書き方は、目上の人に対しては一般的に失礼とされるため、注意が必要です。
このスタイルを採用する適切な状況は、親しい知人や頻繁にビジネスメールのやり取りをしている相手など、差出人を名字のみで表記しても差し支えないケースに限られます。
このような場合には、「拝」という字を用いることで、フォーマルすぎずに親しみを込めたコミュニケーションが可能です。
例文4.「太郎 拝」の実例
差出人が自分のファーストネームを使い、それに「拝」という文字を加える書き方は、「太郎 拝」といった形で行われます。
このスタイルは、親しい家族や、日頃からファーストネームで呼び合っている親しい友人などに限定されています。
この表現を使う場合、相手に対する敬意よりも、むしろ日常的な感謝や親密さを示す目的で利用されることが一般的です。
このような書き方は、親しい間柄において心からの感謝や思いやりを伝えるための手段として用いられます。
まとめ
この記事では、拝への意味や使い方と例文について詳しくご紹介してきました。
「拝」という文字は手紙やメールの結びで使用され、相手への敬意を表す意味が含まれています。
特に、送り手が自分の名前の後に「拝」を添える際は、受け手に対する敬意や尊敬の気持ちを示すための慣習です。
この表現は、「拝」という文字自体に根ざしており、「謹んで」という意味を持ち、古くから敬意を示す際に用いられてきました。
このようにコミュニケーションの中で相手に対する敬意や尊重を伝える重要な方法となっています。
特定の業界、特に官公庁や医療関係ではこの表現を用いる習慣がありますが、その他の業界でも、年配の方や管理職などが同様に「拝」を名前の後に加えることがあります。
また、「拝」の由来は「拝啓」から派生し、時間とともに「拝」という形に簡略化されたもので、手紙の結びに用いられています。