えんがちょ(エンガチョ)は、縁を切るという行為になります。
千と千尋の神隠しで使われ話題になりましたが、現在の子どもたちは知らないという子も多いようです。
40代の私には、「えんがちょ」よりも「バリア」のほうが馴染みがあるのですが、気づいたら子供の頃に、使うようになっていたので意味というのを知りませんでした。
私のようにえんがちょについて、詳しく知らないという方も多いのですよね。
そこでこの記事では、えんがちょの意味や使い方、語源や由来と元ネタ、やり方について詳しくお伝えしていきます。
目次
えんがちょ(エンガチョ)とは?千と千尋で使われた言葉の意味は?
千と千尋で使われたえんがちょ(エンガチョ)とは、「縁を切る」という行為。
自分の周りから特定のものを除外することを指し、これは「穢れ」と呼ばれ、不快または不純物として認識されるもの全般を指します。
千と千尋の神隠しでは、非常に印象的なシーンとして描かれています。
千尋がボイラー室でハクを落ち着かせるため草団子を与えると、彼は黒い芋虫と銭湯の契約の印鑑を苦しみながら吐き出します。
この芋虫は、驚いた様子で逃げ回った末、千尋によって踏みつぶされます。
その後、釜爺は「えんがちょ!」と叫びながら、千尋に特定の手の形を作るよう指示します。
彼女が手を輪にすると、釜爺はそれを手刀で「切る」という動作をして、「切った!」と言います。
まさにこのシーンのように、「穢れ」と「縁を切る」ということです。
@an1meloc1c #千と千尋の神隠し 「えんがちょ、切った」
えんがちょの使い方とは
えんがちょの使い方とは、子どもたちが集い、追いかけっこなどの遊びの最中、不慮の事故が起きることがあります。
例えば、一人が偶然にも犬の排泄物を踏んでしまう場合です。
これを目撃した他の子どもたちは、即座に特定の手の形を作り、「えんがちょ」と声を大にして叫びます。
この「えんがちょ」という言葉や行為は、かつて子供たちにとって一種の魔除けのような役割を果たしていました。
特に昭和40年代までの日本では、この慣習が子どもたちの間で広く共有されていたことが知られています。
都市部でも、世代を超えて子供たちに伝承されていたこの風習は、ただの田舎の慣わしというわけではありません。
しかし、現代ではこの伝統的な遊びや言葉を知る子供は少なくなっていると言われています。
えんがちょの語源と由来、元ネタとは
えんがちょの語源と由来は、辞典では明確な起源を示せないようですが、歴史研究家網野善彦氏の見解によれば、この言葉は「穢」や「縁」を意味する「エン」と、省略形の擬音語「チョン」から来ているとされます。
すなわち、この合成語は「縁(または穢れ)を切り取る」という意味合いを持っています。
ただし、この語源には他の解釈も存在します。
一つは「因果の性」(因果関係を指す)が時間を経て変化したものという説で、因果性とは、ある出来事が別の出来事の原因または結果として結びついている概念を指します。
もう一つは、「縁が千代にわたって切られる」という表現が短縮されたものだというものです。
えんがちょは関西や地方で呼び方が変わる
関西では、えんがちょは、「バリア、ぎっちょ、みっきー」など呼び名が変わります。
その中でも代表的なものとしては、「バリア」が有名です。
地方によっては、片手の人差し指と中指を交差させて「バリア」をしますが、このジェスチャージェスチャーは、特定の状況下で励ます意図を持って用いられます。
主に、試験や重要な挑戦を控えた人へ向け、「成功を願う」というメッセージとして機能します。
このジェスチャーは、応援する人の心からのサポートと好意を象徴しています。
海外での由来
初期キリスト教においては、二本の指を交差させることは十字架を象徴していました。
これは、「神があなたと共にあり、あなたを見守っている」という深い意味を持っていたのです。
そのため、この行為は、ただの励まし以上の、神聖な保護と支援を象徴する動作として広まりました。
現代においても、このジェスチャーはその原始的な意味を多少なりとも保持しつつ、幅広い文化圏で肯定的な意味を持続させています。
えんがちょのやり方とは
えんがちょのやり方は、2つ種類のやり方があります。
「千と千尋の神隠し」のえんがちょと「ワンピース、呪術廻戦」のえんがちょです。
「千と千尋の神隠し」のえんがちょ
一つのやり方は、両手の親指と人差し指を使って円を形成し、その交差する部分を象徴的に「切る」動作をするか、指を離すことで縁を切る意味を表します。
「ワンピース、呪術廻戦」のえんがちょ(バリア)
アニワン
バリバリの能力は指を結ぶのが発動条件やけど、腕をクロスする意味は一体? pic.twitter.com/h6A87gMPOQ— BUSHI (@BUSHI37272836) April 18, 2021
もう一つのやり方は、ピースサインとして認識される人差し指と中指を交差させる動作です。
この形は、心の中で縁を切ることを願う際に使用されます。
両方法とも、望ましくない縁や関係を精神的に断ち切る願いを象徴しています。
まとめ
この記事では、えんがちょの意味や使い方、語源や由来と元ネタ、やり方をお伝えしました。
えんがちょとは、特定のものや関係を除外する意味を持つ行為で、「穢れ」や不快なものを切り離すことを指し、映画「千と千尋の神隠し」では、千尋がハクを助けるためにこの行為を行い、不吉な物体を取り除きます。
この言葉は、歴史的には「穢」や「縁」を意味する「エン」と、擬音語の「チョン」から派生しており、「縁を切る」という意味を持ち、特に昔の子供たちの間では、不慮の事故が起きた際に「えんがちょ」と叫ぶことで魔除けの役割を果たしていました。
また、関西では「バリア」として知られるなど、地域によって呼び名が異なり、海外の場合初期キリスト教では、指の交差は神聖な保護を象徴していました。
そして、えんがちょには主に二つの方法があり、片方は円を作る動作、もう片方はピースサインの交差で、どちらも望ましくない縁を精神的に断ち切る意図があります。