オオズワイガニが大量発生して、話題になっています。
コスパが良いことから、オオズワイガニが気になっている方が多いのではないでしょうか？
ですが、日本で同じ種類のカニと言えば、ズワイガニや紅ズワイガニがおなじみですよね。
では、オオズワイガニとズワイガニ、紅ズワイガニは何が違うのでしょうか？
この記事では、オオズワイガニの違いを比べる場合に分かりやすい目安となるもの5つの項目で比較しました。
- 生息域の違い
- 色や見た目の違い
- 水揚げ、分布場所の違い
- 価格の違い
- 味の違い
また、それぞれのカニの特徴についても解説しているので、オオズワイガニとズワイガニ、紅ズワイガニの違いを確認したい方は、この記事を参考にしてみてください。
目次
オオズワイガニとズワイガニ、紅ズワイガニの違いとは？
オオズワイガニとズワイガニ、紅ズワイガニについて、5つの違いでまとめました。
| 1.生息域の違い | 3種類のカニの生息域は異なるため、その違いを比較しました。 |
| 2.色や見た目の違い | それぞれに違う色や見た目の違いを比較しました。 |
| 3.水揚げ、分布場所の違い | 水揚げ、分布場所もそれぞれ特徴的なので違いを比較しました。 |
| 4.価格の違い | 価格の違いは、最も分かりやすい違いなので比較しました。 |
| 5.味の違い | 味や食べ方の違いもあるので比較しました。 |
以上の違いについて、以下では詳しく解説しています。
1.生息域の違い
| オオズワイガニ | 浅い浅瀬 |
| ズワイガニ | 水深 200～400メートル |
| 紅ズワイガニ | 水深 500～2000メートル |
3種類のカニの違いは、生息域の違いが分かりやすいです。
オオズワイガニは、ズワイガニよりも浅い海域で生息していて、ズワイガニは、水深200～400メートルのより深い海域で生息しています。
そして、紅ズワイガニはさらに深い500～2000メートルで生息しており、この生息域の違いが、3つのカニの見た目などの体の違いにも影響しています。
2.色や見た目の違い
| オオズワイガニ | 茶色が濃く、硬いゴツゴツした甲羅をもち、脚も太く短い。 |
| ズワイガニ | 甲羅は横に長く、メスは脚は細長い。オスの甲羅幅は14センチで足を広げたら約70センチだが、メスの大きさはオスの半分。 |
| 紅ズワイガニ | 生きているときから、鮮やかな赤色。 |
オオズワイガニは、茶色が濃く、外的の多い浅瀬に生息していることから、横に長いホンズワイガニより硬いゴツゴツした甲羅をもち、脚も太く短いです。
ズワイガニは、オスで甲羅幅最大14センチ、脚を広げると約70センチにもなり、メスはオスの約半分の大きさで、外敵の少ない深海の影響で脚は細長くなっています。
きれいなオレンジ色の印象がありますが、茹でることで鮮やかなオレンジ色に変わります。
紅ズワイガニは、生息域が最も深いことも影響しているのか、生きている状態から鮮やかな赤色が特徴です。
実は、それぞれ生息域の違いから、見た目に違いがあらわれています。
3.水揚げ、分布場所の違い
| オオズワイガニ | ロシア、アメリカ。 |
| ズワイガニ | 日本海、北太平洋、オホーツク海。 |
| 紅ズワイガニ | 日本海、ロシア、北朝鮮。 |
3つのカニの違うは、水揚げ、分布場所でも違います。
オオズワイガニは、ロシアやアメリカでの水揚げがおもで、2023年6月以降に大量発生したオオズワイガニですが、ロシアやアメリカなどで捕れるものよりも小さいです。
つまり、本来は、ロシアやアメリカのものが一般的なオオズワイガニだと言えます。
ズワイガニは、日本海、北太平洋、オホーツク海など広範囲で分布されますが、特に日本近郊のズワイガニは、地域別で名称も異なり、稀少な高級なカニとして有名です。
紅ズワイガニは、日本海やロシア、北朝鮮で水揚げされています。
オオズワイガニは、日本でも水揚げされていますが、本来は、ロシアやアメリカなので、オオズワイガニは、主に海外での水揚げが一般的だというのが違いになります。
4.価格の違い
| オオズワイガニ | 2700円から18000円。 |
| ズワイガニ | 4,000円から14,000円。（地域名称のカニは除く。） |
| 紅ズワイガニ | 1000円から4000円。 |
オオズワイガニは、北海道での大量発生の影響から、現在は価格が安いものもありますが、本来のオオズワイガニは、日本で大量発生のしたものより数倍大きいです。
つまり、本来、ロシアなどで水揚げされたものは、大きいものほど稀少で値段も高く、高級料亭で扱われているのでカニの価格のなかでも高いと言えます。
ズワイガニは、水揚げされた場所により価格も違います。
やはり、日本近郊で水揚げされたズワイガニは、稀少で漁業制限もあり高級です。
紅ズワイガニは、北海道で水揚げされたものであれば、高めのものもありますが、オオズワイガニや特にズワイガニと比べても安いと言えます。
5.味の違い
| オオズワイガニ | 火を入れると甘みが強くなる。鍋やカニしゃぶがおすすめ。 |
| ズワイガニ | 生食でも美味しく、食べ方バリエーションも豊富に楽しめる。 |
| 紅ズワイガニ | 火を入れると身が縮むので加工品向きだが、逆に彩りにもってこい。 |
オオズワイガニは、見た目の大きさなどとは異なり、火を入れることで圧倒的に甘みが強くなります。
特に、鍋やカニしゃぶだとその味わいがよく分かります。
ズワイガニは、生でも美味しく、火を入れても旨味が広がります。
特に、松葉ガニは付着するカルビルの卵が多いほど旨いといわれ、脱皮後の松葉ガニは身も引き締まり、味も格別です。
赤い身が特徴な紅ズワイガニですが、加熱することで身が縮み、鮮やかな赤い身なので、調理や加工品によく使われます。
ですが、それだけに、北海道で水揚げされる生の紅ズワイガニは格別だと言われています。
このように、それぞれ違いのある3種類のカニですが、それぞれの特徴などを以下でご紹介します。
オオズワイガニ【バルダイ種】とは
毛ガニより"オオズワイガニ”が大漁 北海道えりも町 毛ガニ水揚げ少なく 漁師「これからに期待」 #SmartNews https://t.co/jE9fm8YsnQ
— チビ (@IZxhOQ7dd5vTYvq) December 15, 2023
オオズワイガニは、本ズワイガニと近縁種で、茶色が濃く横に長い甲羅とホンズワイガニよりも硬くゴツゴツなのが特徴で、脚が太く短いため、見た目で区別が可能です。
オオズワイガニの特徴とは
2023年6月、北海道の襟裳岬で、オオズワイガニ（バルダイ種）が獲れたことが驚きのニュースが話題となりました。
この種のカニは、カレイ漁の網を食い破るほどの力強さを持ち、ズワイガニよりも浅い海域で獲れることが特徴です。
さらに、ズワイガニよりも大きく成長する傾向があります。
オオズワイガニが浅瀬に生息する理由は明確ではありませんが、敵が多い環境が影響している可能性があります。
このカニはロシアやアメリカでまとまって獲れることが多く、その味はタラバガニとズワイガニの中間に位置します。
オオズワイガニの味は？
美味しいと評判ですが、日本ではなかなか手に入りにくことも特徴と言えます。
見た目の特徴とは対象的に、ボイル後の甘みが強く美味しいため、鍋物の具としても人気があります。
また、カニしゃぶにしても味わい深く楽しむことができます。
ズワイガニ（ホンズワイガニ）【オピリオ種】とは
ズワイガニ（ホンズワイガニ）【オピリオ種】は、日本海や北太平洋、オホーツク海などに広く分布しており、十脚目ケセンガニ科に属し、水深200～400メートルの泥底に生息している大型の深海生物です。
ズワイガニの特徴とは
オスのズワイガニは甲羅幅が最大14センチに達し、脚を広げると約70センチの大きさになります。
一方、メスはオスの半分程度の大きさです。
このサイズの違いが、ズワイガニの特徴の一つとなっています。
ズワイガニという名前は、細い木の枝を思わせる脚の形状から来ており、古語で細い木の枝を意味する「楚（すわえ）」が訛ったものです。
加能ガニ、松葉ガニ、越前ガニ、間人ガニなど地域で名前が違う！
日本では、地域によって、「加能ガニ、松葉ガニ、越前ガニ、間人ガニ」など、ズワイガニの名前が異なります。
福井県では「越前ガニ」、鳥取県では「松葉ガニ」と呼ばれ、これらはブランドとして商標登録されています。
越前ガニや松葉ガニは高級蟹として知られ、その身はやわらかく甘みがあり、みずみずしいことで人気です。
また、雌のズワイガニは「コッペガニ」「セコガニ」「クロコ」などと呼ばれ、乱獲防止のため漁獲が制限されています。
ズワイガニの味は？
ズワイガニは、茹でるとオレンジ色になり、見た目も鮮やかです。
特に松葉ガニにはカルビルという生物の卵が付着しており、これが多いほど美味しいとされています。
カルビルの卵が付いている松葉ガニは、脱皮後に身が引き締まり、味が良くなるため、季節限定の珍味として人気があります。
紅ズワイガニとは
紅ズワイガニは、日本海やロシア、北朝鮮で水揚げされるズワイガニの近縁種です。
紅ズワイガニの特徴とは？
日本海で獲れる紅ズワイガニは、その鮮やかな赤色が特徴的です。
このカニは、ホンズワイガニよりも深い、500～2000メートルの海底に生息しており、生きている状態でも赤い色をしています。
紅ズワイガニの味は？
紅ズワイガニの身は甘みが凝縮されており、滋賀県の香住漁港で水揚げされる香住ガニとしても知られています。
特に、殻を剥いた後の身の表面は赤く、その色合いが料理に映えるため、カニチャーハンやカニ雑炊などに使用されると、料理が一層鮮やかになります。
紅ズワイガニは加熱すると身が縮みやすいため、生のままの流通は少なく、缶詰など加工食品に用いられることが多いです。
そして、スーパーマーケットなどで手軽に購入できることから、庶民にとっても手に取りやすい価格帯で提供され、ケガニなどと比較しても、その手頃さが多くの人々に支持されています。
オオズワイガニ ズワイガニ 違いに関連する質問
オオズワイガニは生で食べられますか？
オオズワイガニは、生でも食べられます。
ただし、出荷後2日後以内の生のものに限ります。
また、お刺し身として生でも食べられますが、オオズワイガニは、加熱することで甘みを感じやすいので、美味しく召し上がるなら加熱して食べるほうがおすすめです。
松葉ガニ ズワイガニ どっちが美味しい？
松葉ガニもズワイガニもどちらも美味しいです。
本来は、どちらも同じカニですが、どちらも生でも加熱しても美味しく食べることができます。
ただし、松葉ガニの親ガニは、小さいですが、外子と呼ばれている卵、また内子と呼ばれる卵巣が松葉ガニを代表する美味しさの特徴です。
ズワイガニが安い理由は何ですか？
ズワイガニが安い理由は、漁獲量の多さです。
松葉ガニや越前ガニなどは、同じズワイガニでありながら、ブランドとして商標登録されています。
漁業制限が行われており、例えば、松葉ガニは、「11月上旬～12月末」というわずかな期間しか水揚げされません。
そのため、ズワイガニと比べると圧倒的に稀少となるためズワイガニのほうが安くなります。
ズワイガニのオスはなんて呼ばれますか？
ズワイガニのオスは、若ガニと呼ばれます。
この呼び名は、脱皮したての若いオスのズワイガニの呼び名です。
また、山陰地方では、ズワイガニのオスのことを松葉ガニと呼びます。
ちなみに、雌のズワイガニは地方により呼び名は異なりますが、「コッペガニ」「セコガニ」などいくつかの呼ばれかたがあります。
まとめ
オオズワイガニ、ズワイガニの違いを、生息域、色、見た目、水揚げ場所、価格、味で解説しました。
オオズワイガニは浅い海域に生息し、茶色が濃く硬い甲羅を持ち、脚が太く短いです。主にロシアやアメリカで獲れ、タラバガニとズワイガニの中間の味が特徴です。
ズワイガニは水深200～400メートルの深海に生息し、オスは甲羅幅最大14センチ、脚を広げると約70センチになり、地域によって加能ガニ、松葉ガニ、越前ガニ、間人ガニと呼ばれ、高級蟹として人気。
紅ズワイガニは水深500～2000メートルで生息し、生きている状態でも赤い色が特徴です。
身には甘みが凝縮されており、カニチャーハンやカニ雑炊などの料理に映え、加熱すると身が縮むため、生の流通は少なく、缶詰などの加工食品に多く用いられます。
それぞれの違い、特徴を知ることで、どのズワイガニを選んだら良いのか参考にしてみてくださいね！
