[監修者情報]
この記事の監修者
小高 千枝 (こだか ちえ)
心理カウンセラー / 公認心理師株式会社エモーション・カウンセリング代表取締役。多くの女性誌での連載やTV番組でのコメンテーターとしても活躍。恋愛、結婚、人間関係に悩む多くのクライアントに寄り添い、自己肯定感を育むサポートを行っている。
この記事は、恋愛心理の専門家である小高先生の監修のもと作成されています。
恋人に「重い」と言われた経験から、「私ってヤンデレなの?それともメンヘラなの?」と一人で悩んでいませんか?
実は、ヤンデレとメンヘラの最大の違いは、愛情の矢印が「相手」に向かうか、「自分」に向かうかという「愛情のベクトル」にあります。
この記事は、単に二つの言葉の違いを解説するだけではありません。心理カウンセラー監修のもと、あなたの心の奥にある「不安の正体」を解き明かし、自分を責める毎日から卒業するための、具体的で優しい第一歩を提示します。
読み終える頃には、自分の恋愛パターンを客観視でき、次の恋では傷つかないための「自分軸」の育て方がわかります。
目次
「重い」と言われてしまう…その不安の正体とは?
恋愛で「重い」と言われてしまうと、自分がダメな人間のように感じてしまいますよね。でも、決してそんなことはありません。あなたが相手を真剣に想うからこその悩みなんです。
私のカウンセリングでも、「ヤンデレとメンヘラって、結局どっちがマシなんですか?」というご質問をいただくことがあります。
そうやって白黒つけて安心したくなる気持ち、とてもよく分かります。でも、この問題は、どちらが良い・悪いという話ではないんですよ。
例えば、相手を想うあまりに予定をすべて相手に合わせたり、不安な気持ちから何度も連絡してしまったり。そうした行動の裏には、「嫌われたくない」「一人になりたくない」という切実な不安が隠れています。
その行動自体を責めるのではなく、まずはご自身の心の中にある不安に気づいてあげることが大切です。その悩みは、決してあなただけの特別なものではないのですから。
【5つの視点で徹底比較】ヤンデレとメンヘラの本質的な違い
それでは、ヤンデレとメンヘラの違いを、より客観的に見ていきましょう。ここでは5つの視点から、二つのタイプの違いを比較解説します。
ヤンデレとメンヘラは、愛情のベクトルが『相手中心』か『自分中心』かという点で本質的に異なります。この最も重要な違いを念頭に置きながら、ご自身の経験と照らし合わせてみてください。
一目でわかる!ヤンデレとメンヘラの5つの違い
| 視点 | ヤンデレ | メンヘラ |
|---|---|---|
| ① 愛情のベクトル | 相手中心(外向き) | 自分中心(内向き) |
| ② 行動の動機 | 相手を想うあまりの過剰な愛情表現 | 自分の不安や寂しさを埋めてほしい |
| ③ 主な感情 | 独占欲、嫉妬、献身 | 承認欲求、孤独感、自己憐憫 |
| ④ 口癖・セリフ例 | 「あなたのことは全部知りたい」 | 「どうして私だけを見てくれないの?」 |
| ⑤ 理想の関係性 | 相手と一体化し、二人だけの世界を築きたい | 常に自分が一番に愛され、注目されていたい |
このように、表面的な行動が似ていたとしても、その行動の背景にある動機や理想の関係性には明確な違いが見られます。この違いを理解することが、ご自身の恋愛パターンを客観的に見つめ直す第一歩となります。
違いだけじゃない。実は似ている「心の根っこ」にある共通点
ヤンデレとメンヘラの違いを比較してきましたが、実はこの二つの傾向は、全く別のものというわけではありません。一見正反対に見える両者ですが、実はコインの裏表のような関係で、その心の奥深くには共通の原因が潜んでいることが多いのです。
ヤンデレとメンヘラの傾向の根底には、共通して『見捨てられることへの強い不安』が存在します。
「ありのままの自分では愛されないのではないか」「いつかこの人は自分の元から去ってしまうのではないか」という見捨てられ不安が、相手への過剰な献身(ヤンデレ)や、自分への過度な関心の要求(メンヘラ)といった行動の引き金になっているのです。
この不安の背景には、さらに低い自己肯定感が深く関わっています。自分に自信が持てず、自分の価値を信じられないからこそ、相手の愛情や存在に強く依存してしまうのです。
つまり、表面的な行動の違いを分析する以上に、ご自身の心の中にあるこの共通の「不安」や「自信のなさ」に優しく気づいてあげることが、問題解決の鍵となります。
もう「重い」と言われない。自分を大切にする「自分軸」の育て方
ご自身の心の癖について理解が深まったところで、ここからは未来のための具体的なステップに進みましょう。
恋愛で相手の言動に振り回されず、安定した関係を築くためには、「自分軸」を育てることが何よりも大切です。低い自己肯定感を克服し、健全な関係を築くためには、「自分軸」を確立することが具体的な解決策となります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「相手がどう思うか」ではなく、「自分がどうしたいか」を主語にして考える癖をつけましょう。
なぜなら、恋愛で深く悩む方の多くが、無意識のうちに「相手軸」で物事を判断してしまっているからです。
自分の感情や欲求を後回しにすることが、結果的に不安や不満を心の中に溜め込む原因になります。まずは日常の小さな選択から、「私はこうしたい」を大切にする練習をしてみてください。
ステップ1: 自分の「感情」に気づく練習
まずは、ご自身が今何を感じているのか、意識を向けることから始めましょう。
「不安だな」「寂しいな」「嬉しいな」など、心に浮かんだ感情を、良い悪いで判断せずに、ただ「そう感じているんだな」と受け止めてあげます。
感情をノートに書き出してみるのも、自分の心を客観視するのに非常に効果的です。
ステップ2: 小さな「自己決定」を繰り返す
自分軸を育てるためには、自分で決める経験を積み重ねることが大切です。今日のランチに何を選ぶか、週末に何をして過ごすか、どんな些細なことでも構いません。
「相手に合わせる」のではなく、「私はこれがいいから」という理由で選ぶ練習をしてみましょう。
この小さな自己決定の繰り返しが、「自分で決めていいんだ」という自信を育ててくれます。
ステップ3: 一人の時間を「楽しむ」工夫をする
恋愛が生活の全てになると、相手がいない時間が途端に「耐えるべき時間」になってしまいます。
意識的に、一人で楽しめる時間を作りましょう。好きな音楽を聴きながら散歩する、カフェでゆっくり読書をする、見たかった映画を観るなど、ご自身が「心地よい」と感じる活動を見つけることが重要です。
一人でも充実した時間を過ごせる心の余裕が、相手への過剰な期待や依存を和らげてくれます。
まとめ:自分を理解することから、新しい恋愛は始まる
この記事では、ヤンデレとメンヘラの本質的な違いから、その根底にある共通の心理、そして次の恋で傷つかないための具体的なステップまでを解説してきました。
最後に、大切なポイントをもう一度お伝えします。
- ヤンデレとメンヘラの違いは「愛情のベクトル」にありますが、どちらが良い・悪いというものではありません。
- その行動の裏には、誰の心にもある共通の「不安」が隠れています。
- 解決の鍵は、相手ではなく自分に目を向け、「自分軸」を育てることにあります。
自分を理解しようとした今日のこの一歩が、あなたの未来を必ず変えます。あなたは、幸せな恋愛をする価値のある素敵な人です。
まずは、あなたが「心地よい」と感じることは何か、5つ書き出してみることから始めてみませんか?それが「自分軸」を見つける第一歩です。
[参考文献リスト]
- マイナビウーマン, 「「ヤンデレ」と「メンヘラ」の違いとは? 専門家が解説する言葉の意味と特徴」
- ゼクシィ, 「【心理カウンセラー監修】メンヘラ、ヤンデレ…特徴と改善方法」
- ハッピーメール, 「ヤンデレとメンヘラの違いとは?それぞれの意味や恋愛的特徴を紹介」
[著者情報]
この記事を書いた人
[ヒロ]編集部
私たちは、読者の皆様の毎日が少しでも豊かになるような、信頼できる情報をお届けすることを目指しています。
この記事は、読者の皆様の恋愛に関する深いお悩みに寄り添いたいという思いから、心理カウンセラーの小高千枝先生に監修いただき、制作しました。
私たちは、読者の皆様がご自身の力で幸せを見つけることを、心から応援しています。

