「もしかして、私って性格悪い…?」良かれと思った行動が裏目に出て、そんな風にご自分を責めていませんか。
大丈夫。その悩みは、あなたの優しさの証明です。この記事では、単に「性格が悪いと言われる理由」を並べることはしません。
あなたの素晴らしい才能が、なぜ時に誤解されてしまうのか、その「心の仕組み」を解き明かし、自分を責めるのをやめて、明日から試せる具体的な対処法を一緒に見つけていきましょう。

この記事の執筆者:佐藤 ゆう
MBTI認定カウンセラー / キャリアコンサルタント
500人以上のカウンセリング経験から、あなたの優しさと共感性という才能を信じ、あなたらしい輝き方を取り戻すお手伝いをします。
目次
「私の親切、おせっかいですか?」ENFJが抱える、痛いほどわかる悩み
「どうして私の親切は、おせっかいだと思われるんでしょうか?」
カウンセラーとして活動する中で、この質問をENFJタイプの方から本当に、本当によくお受けします。
その言葉の裏には、「私は良かれと思ってやっているのに、なぜ理解されないの?」という深い悲しみと孤独感が隠されているのを、私は知っています。
もしかしたら、あなたにもこんな経験があるかもしれません。
- 困っている後輩の仕事を手伝ってあげたら、なんだか煙たがられてしまった。
- みんなが楽しめるようにと一生懸命に場を盛り上げたのに、帰り道で一人、どっと疲れてしまった。
- 大切な友人からの相談に親身に乗っていたら、いつの間にか相手の感情に引きずられて自分まで辛くなってしまった。
周りの人の気持ちを敏感に感じ取り、自然と手を差し伸べられる。それはENFJのあなたに備わった、素晴らしい才能です。
しかし、その優しさゆえに傷つき、「私のやり方が悪いのかな」「もしかして、性格が悪いと思われてる?」と悩んでしまう…。もし今、あなたがそう感じているのなら、まず一番にお伝えしたいことがあります。
その悩みは、決してあなた一人だけのものではありません。
性格が悪いんじゃない。あなたの優しさの「仕組み」を解説します
なぜ、あなたの素晴らしい才能が、時に裏目に出てしまうのでしょうか。その答えは、あなたの「性格」にあるのではなく、ENFJ特有の「心の仕組み」、すなわち心理機能にあります。
ENFJの最も得意な心理機能は「外向的感情(Fe)」と呼ばれます。これは、周りの人々の感情や期待を敏感に察知し、その場の調和を保とうとする、いわば「共感のアンテナ」です。
あなたの面倒見の良さや、人が自然と集まってくる魅力は、この外向的感情(Fe)という才能が輝いている証拠です。
しかし、あなたがストレスを感じたり、疲れたりすると、この素晴らしい才能が過剰に働いてしまうことがあります。そして、普段はあまり使わない、ちょっぴり苦手な心理機能「内向的思考(Ti)」が、不健全な形で暴走を始めてしまうのです。
この外向的感情(Fe)の過剰な働きが、「不健全な状態」に陥る直接的な原因となります。
そして、「不健全な状態」の特徴的な症状として、劣等機能である内向的思考(Ti)が暴発し、過度な自己批判や他者への冷徹な批判という形で現れるのです。
これが、「ENFJは性格が悪い」と誤解されたり、自分でもそう感じてしまったりする現象の正体です。
あなたの優しさは、決して欠点ではありません。ただ、心に余裕がなくなると、その才能が少しだけ暴走してしまうことがある、というだけなのです。
もう自分をすり減らさない。ENFJが自分らしく輝くための3つの処方箋
心の仕組みがわかったら、次は具体的な行動です。自分を責める必要はありません。あなたらしい優しさを守りながら、もっと楽に、もっと輝くための具体的な3つの処方箋を提案します。できそうなものから、一つでいいので試してみてください。
処方箋① 自分の心の声を聴く時間を作る (ジャーナリング)
ENFJは他者を優先するあまり、自分自身の「疲れた」「本当は嫌だ」という心の声をつい無視しがちです。まずは1日5分でいいので、誰にも邪魔されない時間を作り、自分の気持ちをノートに書き出してみましょう。
- 今日、何に一番心を使った?
- 本当はどう感じた?
- 誰かに言いたかったけど、言えなかったことは?
これを続けるだけで、自分の心の状態に敏感になり、無理をしすぎる前に気づけるようになります。
処方箋② 小さな「NO」から始める (境界線の設定)
多くのENFJの方が最初に躓くのは、「NO」と言えずに全てを抱え込み、燃え尽きてしまうことです。健全な境界線(Boundaries)を引くことは、過剰になりがちな外向的感情(Fe)を健全にコントロールするために不可欠です。
いきなりきっぱり断るのは難しいかもしれません。だからこそ、まずは「小さなNO」から練習してみましょう。
- 頼まれごとをされたら、すぐに「いいよ!」と言わない。
- 代わりに、以下のクッション言葉を使ってみる。
- 「ありがとう、少し考えさせてくれる?」
- 「今すぐは難しいけど、〇〇なら手伝えるよ」
- 「嬉しいお誘いだけど、今日は自分の時間を大切にしたいんだ」
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 境界線を引くことは、決して「わがまま」や「冷たい行為」ではありません。
なぜなら、境界線を引くことは、あなた自身の心の健康を守ると同時に、「私はあなたのことを大切に思っている。
だからこそ、無理をして不誠実な関わり方はしたくない」という、相手への誠実さの表れでもあるからです。この考え方の転換が、罪悪感なく境界線を引くための第一歩になります。
処方箋③ 「事実」と「解釈」を分けてみる練習
ストレスが溜まると、私たちはつい物事をネガティブに解釈しがちです。これは、暴走した内向的思考(Ti)の働きでもあります。そんな時こそ、一度立ち止まって、「事実」と「自分の解釈」を分けて考える練習をしてみましょう。
- 事実: 後輩が、私が手伝った資料を、後で自分でやり直していた。
- 解釈(暴走したTi): 私のやり方が気に入らなかったんだ。私は嫌われているんだ。
- 別の可能性(健全なTi): 自分の力でやり遂げたかったのかもしれない。もっと良いアイデアを思いついたのかもしれない。
このように、健全な境界線を引く実践は、自分を客観視し、ありのままを受け入れる「自己受容」に直接繋がっていきます。
よくあるご質問 (FAQ)
最後に、ENFJの方からよくいただく質問にお答えします。
Q. ENFJは他のタイプとどう付き合えばいいですか?
A. あなたの共感性は素晴らしい武器ですが、相手によってはその距離の近さに戸惑う人もいます。特に、一人の時間を大切にする内向的なタイプ(I始まり)の人には、少しずつ距離を縮めることを意識すると良いでしょう。
「何か手伝おうか?」と聞く前に、「何か手伝えることはある?」と相手に判断を委ねる一言を挟むだけで、関係はぐっとスムーズになります。
Q. 自分のこの性格、直した方がいいのでしょうか?
A. 直す必要は全くありません。あなたの性格は、希少で価値のある才能です。実際に、ENFJは全人口の約2〜3%しかいないと言われています。
直すのではなく、その素晴らしい才能の「使い方」を少しだけ調整して、自分も周りも幸せになる方法を学ぶ、と考えてみてください。
Q. ストレスが溜まっているサインは何ですか?
A. ENFJのストレスサインで多いのは、「周りの人を過度にコントロールしようとする」「普段なら気にしないような些細なことで、急に批判的になる」「『誰も私のことをわかってくれない』という強い孤独感に襲われる」といった点です。
もしこれらのサインに気づいたら、それはあなたの心が「休ませて」と悲鳴を上げている証拠です。意識的に一人の時間を取り、好きなことをして自分を労ってあげてください。
まとめ
あなたのその優しさは、決して直すべき欠点ではありません。世界がもっと必要としている、かけがえのない才能です。
ただ、その才能を大切に使うために、まずは自分自身を一番大切にしてあげてください。この記事で紹介した3つの処方箋のうち、まずは1つ、できそうなことから試してみませんか?
例えば、今日誰かに何かを頼まれたら、「少し考えさせて」と言ってみる。
その小さな一歩が、あなたらしい輝きを取り戻す大きな力になります。
[参考文献リスト]
- 【ENFJ】主人公。内向直観を伴った外向感情タイプ(MBTI) – かずログ (https://kazulog.fun/note/enfj-protagonist/)
- ENFJがストレスを感じるものと、それに対処する方法 – Reddit (https://www.reddit.com/r/enfj/comments/cc1f5q/whatstressesanenfjoutandhowtodealwithit/)
- あなたは人生の主人公!ENFJ(主人公)完全ガイド – note (https://note.com/mbti_lab/n/n268967343a4f)

