【心理学でわかる】どんな異性に好かれやすい？診断の先へ進むための自己分析

失恋して、「私なんて誰からも好かれないかも…」と自信をなくしていませんか？彼に振られて、まるで自分自身を全否定されたように感じてしまう…。

その気持ち、痛いほどよくわかります。

でも、大丈夫。あなたの価値は、誰か一人の評価で決まるものじゃありません。

この記事のゴールは、一時的な「好かれやすいタイプ診断」で一喜憂憂することではありません。

この記事では、もう「誰かに好かれるか」で悩まない、診断の先にある、本当のあなたを愛してくれる人に出会うための心理学を、公認心理師が解説します。

読み終える頃には、自分の魅力に気づき、次の恋に前向きな一歩を踏み出すための具体的なヒントが手に入ります。

この記事の著者

佐藤ゆう (公認心理師／恋愛カウンセラー)

青年期の自己肯定感を専門とし、愛着理論に基づくパートナーシップカウンセリングを提供。著書に『20代からの「自分を大切にする」恋愛心理学』があり、女性誌での連載も多数。年間200件以上のカウンセリングを通じて、恋愛に悩む多くの女性に寄り添っている。

「私って、誰からも好かれないの？」その不安の正体とは

私のカウンセリングルームで、失恋を経験された方が口にするお悩みで最も多いものの一つが、「もう誰からも愛されないんじゃないか」という深い不安感です。

大好きだった人に受け入れてもらえなかった経験は、自分の全てがダメだったかのように感じさせてしまいますよね。

ですが、その不安は、あなたが魅力がないから生まれるのではありません。

心理学的に見ると、失恋は一時的に自己肯定感、つまり「自分はこれでいいんだ」と思える感覚を大きく低下させる出来事なのです。

特に、恋人という近しい存在を失うと、「恋人である自分」というアイデンティティの一部が失われ、心にぽっかりと穴が空いたように感じます。

この失恋からの回復プロセスを適切に経ることが、低下してしまった自己肯定感を健全なレベルにまで戻すために、とても重要になります。

ですから、今あなたが感じている不安は、ごく自然な心の反応だということを、まずは知っておいてください。

診断の答えは「タイプ」じゃない。あなたらしさを愛されるための3つの鍵

巷にある「好かれやすいタイプ診断」は手軽で楽しいものですが、本当の意味であなたを幸せにしてくれる答えは、その中にはありません。

大切なのは、他人の評価軸に自分を合わせることではなく、自分自身の心を理解することです。

あなたらしさを心から愛してくれる人と出会うためには、心理学の視点から見て、次の3つの鍵がとても重要になります。

自分の恋愛パターン（愛着スタイル）を知る: なぜかいつも同じような恋愛の悩みを繰り返してしまう…その背景には、無意識の行動パターンが隠れているかもしれません。
自分の本当の価値観に気づく: あなたが心から「大切にしたい」と感じるものは何でしょうか。流行や他人の意見ではなく、自分の価値観が、あなただけの幸せの羅針盤になります。
下がった自己肯定感を育てる: 自分を大切に思う気持ちが、あなた本来の魅力を輝かせ、同じようにあなたを大切にしてくれる人を引き寄せます。

これら3つの鍵はバラバラではなく、互いに深く影響し合っています。例えば、自分の愛着スタイルを知ることは、自己肯定感が揺らぎやすい原因を理解する助けになります。

そして、自分の価値観がはっきりすると、愛着スタイルの弱点を補い、より自分らしいパートナー選びができるようになるのです。

【5分でわかる】あなたの恋愛パターンは？愛着スタイル・セルフチェック

それでは、あなたの心のクセを理解する第一歩として、心理学の「愛着理論」に基づいた簡単なセルフチェックをやってみましょう。

難しく考えず、直感で「当てはまる」と感じるものにチェックを入れてみてください。

【愛着スタイル・セルフチェックリスト】

□ 恋人とは、いつも一緒にいないと不安になる。
□ 相手からの連絡が少しでも遅れると、嫌われたのではないかと心配になる。
□ 相手に嫌われたくなくて、自分の意見や本音を我慢してしまうことが多い。
□ 恋人に「重い」と言われたことがある。
□ 一人の時間よりも、誰かと一緒にいる方が好きだ。
□ 恋人と親密になることに、どこか息苦しさや抵抗を感じる。
□ 相手に束縛されたり、干渉されたりするのが苦手だ。
□ 自分のことを話すのがあまり得意ではない。
□ 恋愛よりも、仕事や趣味に熱中している方が楽だと感じる。
□ 恋人がいても、一人の時間は絶対に必要だ。

▼ チェックの集計

最初の5項目に多くチェックがついたあなたは「不安型」の傾向があるかもしれません。
後の5項目に多くチェックがついたあなたは「回避型」の傾向があるかもしれません。
どちらもあまり当てはまらない、またはバランスが取れていると感じるあなたは「安定型」に近いでしょう。

【各タイプの特徴と魅力】

【不安型】のあなたへ:
- 陥りがちなパターン: 相手の顔色を伺いすぎたり、愛情を確かめる行動が多くなったりしがちです。
- あなたの素敵な魅力: あなたは共感能力が非常に高く、人の気持ちに寄り添うのが得意です。その深い愛情や一途さは、相手にとって大きな安心感と喜びになります。
【回避型】のあなたへ:
- 陥りがちなパターン: 人と深く関わることを無意識に避け、関係が親密になると距離を置きたくなることがあります。
- あなたの素敵な魅力: あなたは自立心が高く、自分の世界を大切にしています。そのクールで落ち着いた雰囲気や、相手に依存しない姿勢は、とても魅力的に映ります。
【安定型】のあなたへ:
- 特徴: 自分にも相手にも信頼を置くことができ、健全な距離感で安定した関係を築くのが得意です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 診断結果は「良い/悪い」のレッテルではありません。自分を理解するための「ヒント」として活用してください。

なぜなら、カウンセリングの現場で、この種の診断結果に落ち込んでしまう方を多く見てきたからです。

「不安型だからダメなんだ」と自分を責めるのではなく、「私は不安を感じやすい傾向があるから、気持ちを正直に伝える練習をしてみよう」と、次への一歩を考えるための道具として使うことが、あなたの幸せに繋がります。

今日からできる。自分を大切にするための3つの心の習慣

診断で自分の傾向がわかったら、次はいよいよ、下がってしまった自己肯定感を育てるステップです。

ここでは、心理学で注目されているセルフコンパッション、つまり「自分への思いやり」の考え方に基づいた、今日からすぐに始められる心の習慣を3つご紹介します。

このセルフコンパッションは、辛い失恋からの回復プロセスを乗り越えるための、具体的な心のケアの方法としてとても有効です。

親友にかける言葉を自分にかける
もし、あなたの親友が失恋して落ち込んでいたら、どんな言葉をかけますか？「あなたのせいだよ」なんて、決して言わないはずです。「辛かったね」「あなたは悪くないよ」と、優しい言葉をかけるでしょう。その同じ言葉を、鏡の前の自分自身にかけてあげてください。自分を責める声を、一番の味方であるあなたの声で打ち消してあげるのです。
小さな「できたこと」を記録する
自己肯定感が下がっている時は、自分のダメなところばかりに目が行きがちです。だからこそ、意識的に「できたこと」に目を向ける練習をしましょう。「朝、ちゃんと起きられた」「授業に集中できた」「美味しいランチを食べた」。どんなに些細なことでも構いません。一日の終わりに3つ書き出すだけで、「私、ちゃんと今日を生きている」と自分を認められるようになります。
心地よくない人間関係から少し距離を置く
あなたの気持ちをざわつかせたり、あなたを否定したりする人とは、少しだけ距離を置いてみましょう。心が弱っている時に、無理に人間関係を頑張る必要はありません。あなたを安心させてくれる友人や、一人の穏やかな時間を大切にすることが、心のエネルギーを充電するために何よりも重要です。